それぞれの一週間【完】
「どうしたんですか、こんな所で。」
「……海美ちゃん。」
どこで、なんて思い出す前に彼女は私の前まで駆け寄ると、自分がさしていた傘の中に私も入れてくれる。
整った顔は、今レジの前にいてこちらを焦ったように見る男によく似ている。
ここで妹本人の登場だ。
「愛…!」
「あ、兄さん。」
「え、あ、海美…?何してんのここで。」
「こっちの台詞。」
そしてバカも焦ったようにファミレスを飛び出して来た。
あー…、つらい。
私の好きな人と、その人が一番思っている人(妹)との会話を聞くのは今の私には相当なダメージなんですけど。
すたすたと歩き出す私の手首は、すぐに捕まってしまう。