それぞれの一週間【完】
「言わない、」
「愛菜。」
「(言えない、よ、)」
あんたの妹にやいてました、なんて言えないわよ。
波瑠は固く口を閉ざしている私を、困ったなというような笑みを浮かべて見つめる。
困ってるのに、笑うなんて怖い…!マゾ?そっちプレイ希望中なわけ?ごめん、私そういうのは趣味じゃないの。
「愛、俺が好きなのは海美なの。」
「…知ってる。シスコンアピールしないでいいから。」
「…。で、愛は好きじゃなくて、愛してるの。」
…嗚呼、何を私は、泣く必要があったんだ。
波瑠の中で、私はこんなに幸せなポジションにいるんじゃないか。愛してる、なんて、嬉しすぎるよ…。
私は波瑠の背中にゆっくりと手を回すと、胸板に顔を埋めた。
「波瑠、」
「ん?」
「私も、愛してるから。」
「…うん。」
《気が強くても寂しがり 。》
シスコン?別に気にしません。貴方の全部が大好きです。
-END-