それぞれの一週間【完】


「渚さんに言われたくなーい。」

「んだとコラァァアァアアアァ!!!」

「五月蝿いんっすけど。どうせ愛菜さん来るんだろ。」


…なんて勘の冴える男なんだ皐月お前って奴は。皐月は「はぁこの二人はガキかよいちいち騒ぎやがって飯くらい大人しく食えや」という意が込められた瞳を、俺と渚さんに向けてくる。

渚さんも皐月にはどうも怒鳴りにくいらしく、苦虫を潰したような顔で溜め息を吐いた。



「なに、髪切りに来んの?」

「多分。最近のびたって言ってたし。」

「ふーん。まあ、お前って、」


゙愛菜さんの髪触ってるときが、一番いい顔してるよな。゙



皐月は、珈琲をぐっと喉に流し込むと、見透かしたような笑顔を浮かべて休憩室を出て行った。


やはり、長年の友人にはすべてお見通しらしい。

俺は愛菜へすぐさま返信のメールを打つ。


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待ってるよ。
愛菜を可愛くするのは
俺だからね。

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