それぞれの一週間【完】
それぞれの番外編
-放課後のふたり-
「…あー、眠い。」
「……。」
カリカリ、と。放課後の教室にシャーペンの芯が削れていく音がひたすら響く。
あ。開口一番、場の空気を壊すような発言をした奴のことは当然の如く、無視、である。
と。
「なあー。ねーむいー。」
「…寝れば?」
えーつまんない、と。非難の声をあげる男に私は怪訝な瞳を向け呆れ顔。
眠いと言われ、寝ればと返した私がどうしでコイツ分かってねえな゙みたいな顔されなきゃいけないんだ。
私の返しは普通ってか当たり前、当然なはず。
ああ…疲れる。
「なあ遠藤ー。」
無視だ、無視無視無視…。
「あれ、言葉のキャッチボールがないなあ?」
…む…、無視無視…。
「キスしよ。」
「っ、はあ…!?」
勢い良く顔を向けた男の口角は意地悪く上がっており、確信犯の目がギラついて。
「(こ、いつ…ッ!!!)」
「顔、真っ赤、だよ?」