それぞれの一週間【完】
その証拠に。
「萌…。今日何の日か覚えてる?」
「え?何かあったかな?」
ほら、な。今日が何の日かなんて萌が覚えてるわけねえよなあ…。
はあっと、溜め息を吐き出してそっぽを向く。
萌は俺よりクラスの男子達と一緒にいた方が楽しいのかもしれない。
そのまま、数回会話を交わしながらいつも通りに萌を家まで送る。
帰路を辿る途中。
嬉しかったことは、萌が俺の手に自分から手を重ねて来たこと。
俺もそのちっさい手が離れていかないように握るんだから、甘いよな。
――――――――…
「じゃあな」と手を離す瞬間が俺は嫌いだ。
萌はすぐにどっか行っちまいそうだから。
それでもずっとこのままなんて出来ないから、その気持ちを悟られないようにゆっくり手を離す。
すると、萌は俺を必死に見上げてくる。
何だ、どうした?
「ん?どうした萌。」
そう言って笑えば、次の瞬間。萌は俺のカッターシャツの襟元を引っ張り寄せた。