それぞれの一週間【完】
-甘えの定義-
(俺が考える甘えの定義 。)
季節は頬を撫でる蒸し暑い風から、何時の間にか肌寒い風へと変わっていた。
それは部屋の中にいても同じで、足の先から冷たさを孕んでいくもんだからたまったもんじゃない。
それなのに、ソファに体を倒し寝ている彼女の服装は、薄手のシャツに短パン(レギンス着)という。見ているこっちが身震いしてしまう。
「陽菜、起きて。」
「んー…。」
肩を軽く揺すれば、ぴくりと小さく肩を上げ反応を返した彼女。ゆったりとした動作で持ち上げられた瞼。
とろんとした瞳で俺を見上げる彼女の柔らかい髪に指を通す。
「ここじゃ風邪ひく。」
「……せんぱい?」
寝起き特有のかすれた声に回りきっていない呂律で俺を呼び、そこにいることを確認する彼女。
うん、と返せば。彼女はふにゃりとした笑顔を俺に向ける。
――…可愛いな。
先月から同棲を始めた彼女の陽菜。