それぞれの一週間【完】
「なに?」
顔には笑顔を浮かべてはいるが、声色にはやはり冷たさが含まれていて。拗ねているんだとすぐに直感。
゙何も知らない゙澪。それが可愛くて、くすっと口の端から小さな音がもれてしまった。
それを聞いた澪はさらにムッとする。
と。
俺が右耳に光るターコイズに手を伸ばしたことで、その顔は頬を赤く染めたものへと変わる。それに、身体へ力も入り固まって。
「澪、明日゙お祝い゙しようか。」
俺の言葉に、澪の動きがぴたりと止まる。そしてそのまま数秒ストップ。
「……知ってたの?」
当たり前だろ?と微笑んだ俺に、澪は悔しそうに唇を噛む。
「知らないって、言ったじゃん…。」
ああ、あれね……。
「ほんの悪戯ごころ、かな。」
「遊びごころじゃなくて?」
「そ。悪戯。」
明日は彼女の誕生日
さて、愛の言葉でも贈ろ うか。