それぞれの一週間【完】
-囁きは微笑みに-
今日は幼なじみの部活が久々に休みだから、2人で出掛ける約束をしていたというのに。
…その幼なじみは、まだ夢の中である。
私は、ベッドで布団にくるまり規則正しい寝息をたてる゙それ゙を呆れ顔で見下ろす。
溜め息は深いものへとなるばかりだ。
「健ちゃーん…。」
「……。」
「起きてー。」
「……。」
当然。返事が返ってくることはない。布団から覗く単発をつついてみるが、起きる見込みは見られない。
はあ、と。盛大に溜め息を吐き出したところでそろそろ本腰を入れて起こしにかかる。
布団を引っ剥がして、耳元で大きな声を出す。
「健ちゃーん!おーきーてー!」
ん、と怪訝そうな声。うっすら開いた瞼。その奥に見えた綺麗な目に私が映る。
ぐっと寄せられた眉と共に、幼なじみは眼光鋭く瞳を細めた。
「…何時?」
「7時。今日、遊びに行くんでしょー。」
そう言った私に返ってきたのは、はあ?という声。