それぞれの一週間【完】


顔と顔との距離はほんの数センチ。目の前にある萌の綺麗な笑顔。

それにさえ暴れ出してしまう俺の心臓は、乙女かっつーの。


「吾妻くん、好き。」

「っ…!」


頬を真っ赤にしてしまう俺を見て、嬉しそうに笑う萌の手首を掴み。

彼女の目を片手で覆い隠す。



「ちょっとー!」


視界を遮り奪われた萌は困惑と怪訝の声を上げるが、俺の内心は複雑。

好きだって言われて、嬉しいのは確かなんだけど。



「萌。俺とクラスの奴等どっちがいいの。」


自分でも馬鹿げた意味不明な質問だと思う。


「…何言ってんの。イキナリ。」

「イキナリじゃない。ずっと思ってた。」


本当にイキナリ。でも俺には前から思ってたことであって、大切なこと。



自分でも情けないほど小さくなってしまった声に自嘲的な空笑いを零してしまう。

すると萌は悪戯に言の葉を紡ぐ。


「吾妻くんはどう思うの?」


逆に今度は俺に質問を投げかけて来る。

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