それぞれの一週間【完】



健「俺が野球部ってこと忘れてねえか倉橋。」


不満げな声をもらした健に、呼び出した当の本人はニヤリと意地悪く笑い。



倉「俺は知ってるんだぜ健ちゃーん。野球部が今日は休みってことを!」

健「は?そのどや顔ヤメロ、ストーカーが。」


ぎろり、倉橋を睨みつけて何時もより数倍増しに毒を吐く健を見て、その理由は薄々感ずいた。




…こいつ、今日彼女と帰るつもりだったんだな。


そして。

絶好調に機嫌が悪い奴がもう一人。



直「倉橋死ねよ。」

倉「うお、いきなり来ますか!」

直「うっせボケ。」

倉「……。」



予想外に激しく罵られたせいか、さすがの倉橋も多少傷付いたような顔を浮かべていた。

が。健と直哉にはそんなことは関係ない。次から次へと饒舌に吐き出される言葉は正直言って酷い。


あー…、ほら見ろ。倉橋のポジティブシンキングは呆気なく決壊、小さくなって何か泣きそうじゃんかよ。




< 138 / 151 >

この作品をシェア

pagetop