それぞれの一週間【完】
どうって言われても、口ごもってしまう俺に萌はさらに質問を投げかける。
「私が吾妻くんとクラスの男子達。どっちが大切だと思ってるの?」
その言葉の中には多少の苛立ちも感じられ。
萌の気持ちも、俺の気持ちもよく分からなくなってしまう。
言ってしまえば楽になるけど。それが萌の重荷になるのは嫌だ。
まあ、それは……単なる俺の逃げなんだけどさ。
「萌、別れよっか。」
萌から離れて、衝動的に告げてしまった言葉。
俺自身が見えねえし、よく分かんねー。
でも。そんな俺に萌はリズム良い足取りで俺に近寄ると。
「ほんとーに、いいの?」
間抜けな返事をしてしまう俺にまた艶やかに笑うと
「私と別れちゃって、ほんとーにいいの?」
「私と他の男子が腕組んだり、キスしたりしても。吾妻くんはいーんだ?」
俺の心の答えなんか見透かしてるように。わざと言葉を間延びさせて上目で俺を見つめる。