それぞれの一週間【完】
いきなりややこしい関係の話を持ってこられて、少し困る。そう言えば結城の妹金持ちの長男と見合いしたんだっけ?
結「なんて名前だったっけ…。」
ぼそり、呟いた結城に俺と翔太は二人揃って視線を向けた。
そして。
「ああ」と思い出したような声を出すと。
結「風見、だ。」
波「え…。」
驚いた、というのが率直な意見。何故なら結城の口から紡ぎ出された名前は俺の職場である美容院の先輩の名だったからだ。
世間は狭いんだなあ、なんて。親父くさいことを思ってしまったじゃないか。
波「…まあ、俺も遊びたいよねー…。」
話を変え、小さく笑いながらそうもらした俺。それに答えるように、どこか楽しそうな、懐かしそうな瞳を細め。
翔「暇な時、メールして来いよ。」
波「おー!結城は結婚したし、お前の家にお邪魔するかな。」
結「はあ?来るな阿呆。そんな事されたら澪が固まるだろ。」