それぞれの一週間【完】
露骨に嫌そうな顔をする結城だが、気付いてしまったじゃないか。
「(彼女のこと考えるとき、目が優しいな…。)」
細められたそれは、緩く弧を描いている。元々綺麗顔の男だからどんな顔も様にな。
彼女を溺愛しているのだろう。まあ、新婚だし当たり前か。
波「翔太も、後輩の彼女と同棲中だっけ?」
翔「ん?ああ。」
波「ラブラブ、羨ましいねー。」
翔「何言ってんだ。波瑠だって彼女と同棲してるだろ?」
波「うん。愛菜ラブだからね俺。」
へらりと笑って見せた俺に、翔太も結城も笑う。あー、やっぱり10年来からの友人はいいな。
翔太の言う通り、俺にも同棲している彼女がいる。のろけちゃえば綺麗で少しSなのかな。でも俺がM気質だからピッタリーなんてね。
翔「どうした?不満でもあんの?」
波「いや、それはない。ツンデレこそが愛菜だからね、ラブだからね。」
翔「それさっきも聞いた。」
おっと冷静なつっこみ。ちょっと怯んだじゃんか。