それぞれの一週間【完】
▼ 澪&結城
「結城くん、今日は帰り遅くなる?」
「分かんない。」
「そっ…か、」
「……、」
「まあ、仕事、だもんね仕方ない。いってらっしゃい。」
「(…納得したように見せて、拗ねてんのバレバレ。)」
玄関の段差に座り靴を履く俺は、手招きをして澪を呼ぶ。小首を傾げながらも、膝をつき俺に身を寄せた澪。
そっと耳元で囁く。
「夜、待ってたらご褒美あげる。」
「ッ!」
真っ赤になる我が愛しの奥さんの頬にキスをし、俺は仕事に行く。
まあ、逆バレンタインかな。
▼ 陽菜&翔太
「翔太先輩、これ、」
「……うっそ。」
「(嘘?)」
「コレ俺に?もしかして、バレンタイン?」
「っ…………そんな、気がします。」
「やっべ、滅茶苦茶嬉しいわ。」
「……恥ずかしい。」
「何で?」
「………、」
真っ赤になり、そわそわとする陽菜。ああ、なんだ今日。最高じゃん。
陽菜、と名前を呼び両手を広げれば。嬉しそうに笑った彼女はまだ少し遠慮しながらも俺の胸に抱きついた。