それぞれの一週間【完】



▼ 愛菜&波瑠


「あ、見てみて愛ー。」

「…なに。」

「ほらこれ!チョコ!」

「……へえ。」

「なんか、お店の先輩が義理で皆にくれたんだよね。今日ってバレンタインだったんだー。」

「忘れてたんだ(…ナニ、あの笑顔。)」

「しかもこれ、結構高いやつだ。あの人儲けてるなあ。」

「………。」

「愛ー。」

「寄るな懐くな。」

「愛からはー?」

「海美ちゃんにもらえば。」

「海美は今朝くれた!もんのすっごい小さいのをだけどね!」

「…良かったね。」

「え、あ、うん…。」

「(…照れんなよ。)」



―――数分後



「うわ、これめっちゃ美味い!」

「……波瑠。」

「んー?」


ぶっきらぼうに目の前に差し出されたのは、ベリー色の包装紙にゴールドのリボンが綺麗に結ばれた箱。


「…これって、」

「味の保証はしない。」


ムスッとしてる愛菜の頬がほんのりと赤い。てっきり流されたからないのかと思ってたよ。



「食べなくても、分かるよ。」

「…、」

「世界中の、どんなチョコより甘くて美味しい。」

「…馬鹿か。」


俺の口説き文句に、不器用にだが小さく笑った愛菜。食べてみれば、やっぱり大好きな彼女のが1番だった。








《素敵なバレンタインを!》


 20000hit×valentine

      2012.02.06




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