それぞれの一週間【完】
side:梨奈
月曜日の朝。
お向かいの家に住む幼なじみを起こしに行くのが私の日課でもあり特権だ。
「けーんちゃーん!」
部屋のドアをノックして声をかけるが返事は無し。さすがにやばいかもしれない。
おじゃましすよーっと。心の中で呟き、部屋へと入る。
カーテンも締め切ってるし(しかもカーテンの色黒だし)どうりで起きれないわけだ。
ベッドの上の布団を頭までかぶった幼なじみは規則正しく寝息をたてていた。
布団から少し覗く地毛の焦げ茶の短髪。
羨ましい、と。しばらく見つめてしまいハッとする。
やばいやばい。このままじゃ遅刻してしまうではないか…!
自分の任務をすっかり忘れていた私は、残念な気持ちも多少あったものの。
布団をむんずと掴むと、剥ぎ取ってカーテンを開けていく。
「健ちゃんおはよう!」
「ん……、りな?」
まだ頭が上手く回転していないのだろう。呂律だって回ってないし。