それぞれの一週間【完】
まだ寝ぼけているのか、ベッドの上で胡座をかいて短い焦げ茶をかきあげる。
その仕草にさえきゅん、とかなっちゃうんだからやばい。
変態みたいじゃん…。
健ちゃんは一度欠伸をしてから天井に向かって両腕を伸ばし、「んー!」と。大きく伸びをした。
「おはよ梨奈。」
優しく笑う我が幼なじみに、私ももう一度朝の挨拶を返す。
ベッドから降りて、支度を始める健ちゃんに「じゃあ学校で」と告げれば間延びした返事が返ってくる。
私も名残惜しくも。健ちゃんの匂いがする部屋を後にした。
私は幼なじみの健ちゃんを、彼が部活の休みな月曜日だけ。遅刻しないように起こしに来るのが仕事みたいなものです。
よく朝寝坊する健ちゃんは野球部に所属しているけど。朝練がないと思ってるとどうも起きれないらしい。
ほかの曜日は普通に早起きできるのに。
「あ。梨奈ちゃんいつもありがとー。」
「いえ。じゃあ行って来ます!」