それぞれの一週間【完】


二階にある健ちゃんの部屋から階段を下りて来たところで、リビングから顔を出した健ちゃんママに声をかけられる。


それに笑顔で答えれば、幼なじみによく似た笑顔で「いってらっしゃい」と笑ってくれた。


やっぱ親子、とか当たり前のことを思いながら学校へと向かう。

月曜日の朝は折角健ちゃんが部活休みでも、逆に私が交通委員の挨拶運動があるから。


一緒には学校へ行けないという。何とも不運。


――――――――――

―――――――


「おはようございまーす…。」


今は同じ当番の男の子と一緒に校門の前で挨拶運動とやらをしてるんですけど。

無視ですよ。無視。


数人のがり勉くんとか、がり勉ちゃんとか。不良系の人が遊びで返してくれてる。

まあ、後は大体無視。
こちとら幼なじみと登校できるチャンス潰してまで来てんのに。


「これだから挨拶の大切さを知らない若者は…。」

「その挨拶をマジだりーって顔をしているのはどこのどいつだ。」

< 20 / 151 >

この作品をシェア

pagetop