それぞれの一週間【完】
side:健
「け、健…。」
「あ?何だよ。」
梨奈が走り去った後。
好き勝手言い放題やってくれた俺の友人達は、機嫌を伺うように顔を覗いてくる。
それを睨めば、ものずこい速さで床に土下座した。
「ごめん!本当にごめん!!」
「いいよ。ちょっと屋上から飛び降りてくれればそれで許すよ。」
「むむ無理無理無理!」
ぶんぶんと首を横に振る友人達を無視して、本気で頭を抱えたい。
冗談抜きで…やばいことになった。のに、
「(何で…笑ってんだよ。)」
梨奈は笑ってた。
へらへら、お人好しだしアイツのことだから。
どうせ迷惑とか考えたんだろうけど。冗談じゃない。
『ごめんね健ちゃん迷惑かけて。別にそんな顔しなくても、私も好きでやってるんだし。
健ちゃんがどう思ってても、私には関係ないから。』
俺がどう思ってても関係ないってどういう意味だよ。
勝手に言い逃げしてんじゃねえよ……。