それぞれの一週間【完】
はあ、と溜め息を吐けば土下座していた友人達が俺を見上げてて。
本当ごめんって本気で申し訳なさそうに謝るから、もういいと笑っておく。
「俺がお前らに微妙な言い方したのが悪いんだから。」
「えっと…、つまり健って梨奈ちゃんのこと…?」
と。
友人が俺の気持ちに気付いたところで授業を知らせるチャイムが鳴り響く。
一度教室に戻って来たんだから、何か用事があったんだろうし…、
絶対に゙誤解゙してる。
あの引きつった笑顔がその答えだろう。
今日の部活休めねえかな……無理か。
メールなんかじゃ言い訳にしかなんねえし。直接口で言いたい。言ってしまえばチャンスなのだ。
部活終わったら、真っ先に梨奈の家に行こう。
今まで俺がうじうじしてたからこうなるんだ。言わなきゃ何も始まんねえのに。
夏のある月曜日。
最悪なきっかけだけど、チャンスができた。
俺は、梨奈の買って来てくれたレモンティーの缶を握りしめた。