それぞれの一週間【完】
泣かせた…よな。
激しい罪悪感に襲われる。梨奈を傷つけてしまったことに対しての。
「梨奈…、」
「ぁ…、」
俺がまた一歩近付いて行けば身体をビクつかせて…………走り出した。
もう靴を履き変えていた梨奈はそのまま校門へと向かって逃げる。
俺もすぐに靴へと履き替えて、後を追う。
当たり前に。足は俺の方が早いし体力的にも俺が上回っている。
校門を出る少し前位でその手首を掴んで捕まえた。逃がす訳ないし、逃がす気もない。
「逃がさないから。」
それを伝えてやれば、俺の方を見ようとしない梨奈は俯く一方。
肩を引っ張って俺の方を向かしてみてもその顔を上げようとしない。
むしろ。ぽたぽたと透明な雫が落ちて自信のカッターシャツへしみをつくっていく。
「梨奈。聞いて。」