それぞれの一週間【完】


「やっ…!離して…。」

「離さない。俺を見て。」


ぶんぶんと首を横に振る梨奈に「向け」と命令口調になれば、大人しく俺の顔を見上げた。


やはり瞼は痛々しく赤く腫れてるし、気まずいのだろう。その瞳を俺と合わせようとはしない。



「…ごめん。」

「な、にが。別に健ちゃんが謝る必要ないし、たかが幼なじみじゃない。」


声を震わせ瞳を潤ませながら平然を装う梨奈。
バレバレだっつうの…。

それにさ。俺にとってばたかが幼なじみ゙じゃねえんだ。



「許さない。」

「え…?」

「俺がどう思ってても関係ないって?たかが幼なじみ?そんなん許さない。」


梨奈は泳がせていた視線を吃驚したように俺に向けると、口をパクパクさせてから


「許さないって…、何で健ちゃんが許さないの?私、これからジュースだって買うし今まで通りに起こす…、」

「そんなのはどうでもいいんだよ。」

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