それぞれの一週間【完】
俺は梨奈の頬に自分の手を添えると、彼女の瞳に俺を映す。
「梨奈に会いたいからに決まってんじゃん。」
「だ、だって…!健ちゃんの友達も言ってたじゃん。健ちゃんも私はお人好しって…、」
「お人好しで可愛いとは言った。本当に思ってることだし。」
梨奈は涙を瞳いっぱいに浮かべてるのに、唇を噛んで我慢するから頬に添えていた手をずらして唇を撫でる。
「噛むな」と言えば変わりに涙が零れる。
多分色んな意味で゙可愛い゙を勘違いしてるんだろうけど…。
好きな子を可愛いと思うのは当たり前だ。
「俺のために息切らしてレモンティー買って来てくれるとこも。
月曜日の朝、笑って俺を起こしに来てくれるとこも。
頼まれたら断れないお人好しなとこも全部全部全部。
梨奈が可愛くて仕方ないんだよ。」
情けないくらい、一人の幼なじみが好きでたまらないんだ。