それぞれの一週間【完】
まだ帰れそうにないということに少なからず落ち込んでいた私に、意地悪さを含んだ結城くんの声。
それに電話越しでいつめより声が低いから、ドキドキしちゃってるのは気付かれたくないから。
否定を口にしようとした、その時。
“お待たせしました。”
……若い女の人の声。
電話越しに聞こえる会話のやり取り。
“どうですか?”
“すごく可愛い。俺的にも好きだし。”
“ありがとうございます。”
…、結城くん。誰と話してるの?今どこにいるの?
“あ、澪。悪い一回切る。”
「ゆ、結城くん…!」
“ほんとごめん。じゃあ、大人しく待ってて。”
それだけ言い残すと、無情にも携帯から聞こえるのは機械音。
お利口にって…、いつもだったら恥ずかしくて。でも嬉しくて仕方ないのに。
今日は不安で不安でたまらないよ。
結城くんと、女の人の会話が頭から離れない。
゙可愛い゙って、何が?
゙俺的にも好ぎって、何を?