それぞれの一週間【完】
まあ、私話しかけられたら無視とかしないし。それで結構男子と話ちゃってるから。
今日もほら。機嫌悪くなってる。
「萌…。今日何の日か覚えてる?」
「え?何かあったかな?」
吾妻くんはやっぱりな、と言うように溜め息を吐き出すと。
「何でもない」とそっぽを向いてしまった。
あちゃー。完璧に拗ねちゃったなこりゃ。でもこれは計算内。
吾妻くんは怒ってるはずなのに、温かくて大きな手に私の手を重ねると優しく包んでくれる。
吾妻くんだいすき。
でもそれは、私なりに焦らして焦らして焦らして。吾妻くんが私しか考えられなくなったら伝えるんだ。
手を繋いで歩く私と吾妻くん。さり気なく歩幅を合わせてくれる優しさも、自分が車道側を歩いてくれるとこも好き。
「吾妻くん、吾妻くん。」
「……何。」
「(まだ拗ねてる。)」
怒ってるくせにちゃんと返事してくれるとこも好き。
少しぶっきらぼうな返事にクスッと笑えば、「何なの」なんて。