それぞれの一週間【完】
もしかしてモノじゃないかもしれない。
゙誰を゙?
ありがとうございますって、そんなに嬉しそうに言ってさ…。
聞かされたこっちは今こんなに気分が沈んでるっていうのに。
呆気なく切られた電話の電源を落とすと、ソファへと放り投げた。
(早く帰って来てよ…。)
私も、小さくなってソファへと身を投げた。
ダイニングテーブルの上に、ラップをかけて置いてある肉じゃが。
初めて結城くんに作った料理でもあって、初めて誉められた料理。
「…何で、」
女の人とは一緒にいるのに、私の傍にはいてくれないの?
考えれば考える程難しくて。頭は追い付かないのに涙は簡単に溢れてくる。
結城くんのお仕事は高校の理科の先生。
もうすぐ24だしまだまだ若い。頭が良くて時たまかける眼鏡がよく似合う、男らしい切れ長の綺麗な二重の目。
ちょっと目にかかるくらいの黒髪を無造作にセットしていて。
生徒からも人気らしい。