それぞれの一週間【完】
「…さてと。澪、大事な話があるんだけど。」
その声に肩が跳ねた。優しく意地悪な声を含んでいた声は、急に真面目なものへと変わり。
一気に不安が押し寄せる。どうしよ、聞きたくない。
もし別れ話とかだったらどうしよう。好きな人ができたとか言われたら……。
結城くんを前にした今。ただ彼の真っ直ぐな瞳を見つめ返すことしか出来ない。
眼鏡、してるとか。
わざと気を逸らすように別のことを考える。
怖い……泣きそう。
「澪、左手出して。」
「え、あ……はい。」
言われるがまま左手を差し出せば、結城くんはズボンのポケットの中から、青色の小さな箱を取り出す。
それから何か取り出したと思うと、すっと私の左手の薬指に何かが通された。
「っ…こ、れって…。」
薬指に光のは、小さなダイヤが真ん中に埋め込まれた
「婚約指輪。」
結城くんは、ふわりと私に笑って見せた。