それぞれの一週間【完】
突然のことに頭はプチパニック。指輪と結城くんを交互に見て、最後には号泣と何とも変な行動。
「さっ、き…電話、で…。女、の…ひとと一緒…に…、」
涙と嗚咽でぼろぼろと言葉を紡ぐ私を、結城くんは一瞬きょとんとした顔をしてから。
「それ、お店の人。」
と。何ともアッサリとした答えをいただく。
お店?と呟くと、うんと一言。それに付け足すように「高校の時の友達の姉がやってるジュエリーショップの店員さん」と。
「でもっ、可愛いとか」
「指輪がね。これなら澪にも似合うし俺も好きだって意味。」
「……。」
これは、その……、
あれだよあれ。
私の勘違い?考え過ぎってやつ。
結城くんはふっと笑うと、私の涙を自信の指でぬぐい取る
と。
「吉野澪さん。絶対幸せにします。
俺と結婚してください。」
「馬鹿、当たり前…っ!」
涙で結城くんの顔が見えないよ。