それぞれの一週間【完】


それにクスリと綺麗な笑みを浮かべた結城くんは「意地っ張り」と囁く。


「寂しかったなら言えばいいし。一人でなんか泣かなくていい。」


と。何とも理不尽な言いようだ。


「俺が浮気してるとか思ったんでしょ。心外だ。」

「っ…、だって結城くんが」

「俺はこんなにも澪しか見てないのに。」



私の言葉を遮って言ってのけた結城くんを、びっくりして見れば。意地悪に笑う姿。


「さあ。どうやってお詫びをしてもらおう。」



ゆっくりと立ち上がると、腰を屈めるようにしてソファの背もたれに手をつくと。

にっこりと口元に弧を描く。




「俺は澪でいっぱいなんだってこと。教えてあげる。」


降り注いだのは、熱いキスの嵐。



《意地っ張りにはおしお    き。》


薬指に光るそれが
彼の愛のシルシなのです。

私の彼氏様は少し意地悪。



   -END-

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