それぞれの一週間【完】
「どうですか?」
「すごく可愛い。俺的にも好きだし。」
「ありがとうございます。」
頭を下げる白石さんににっこりと笑顔を向けると、再び携帯を耳に押し付ける。
“結城くん…。”と、不安そうな声色で俺の名を呼ぶ澪。不思議には思ったが、早く帰らなきゃな。心配してる。
そして澪に電話切ることを告げて、終話ボタンを押した。
「あ、電話中でしたか!すみません気付かなくて。」
「いえ。じゃあ、これにします。」
「はい。お名前お彫りになりますか?」
「お願いします。」
かしこまりました、と。瞳を細めた白石さんは白い小さなメモ用紙を取り出して、記入を求められた。
゙澪(みお)゙゙彗(すい)゙と走り書きで記入すると、それを手にした白石さん。
「お二人とも素敵なお名前ですね。」
「どうも。」
照れくさい会話であるが、彼女の表情からして本心である言葉を発したのだろうと思った。