それぞれの一週間【完】
「嫌なら食べないでくださいよ。」
「嫌とは言ってない。」
先輩はこうやってダメ出しを必ずするが、全部綺麗に平らげるのだ。
そういう優しさが好き。
食器を台所に持って行こうと席を立った先輩の背中に腕を回すと、体を捻るように振り返り私の頭を大きな手が撫でる。
先輩をゆっくりと見上れば、切れ長の綺麗な二重が優しく細められた。
「どうした?」
「……今日、の晩ご飯!肉じゃが作ります!」
「うん?」
「だから……、」
゙一緒に食べませんが
言っている内にだんだんと恥ずかしくなり、一番肝心なことが言えず絡ませていた視線の糸をとくように俯くと。
くしゃくしゃっと頭の上にのっていた手は、私の髪を乱すように撫でる。それにびっくりして再び見上げた。