それぞれの一週間【完】
車の中は先輩が好きな洋楽の女性アーティストの曲が流れている。
…前にその中で気に入った曲調の所を先輩に言ったら教えてくれた歌詞の直訳――――。
{あなたと過ごす時間のせいで}
{私はどんどん甘えん坊になるの}
それを聞いて、カアッと頬を赤く染めてしまったのはばれなかったが。
何だかとても印象的で。そこのフレーズのメロディーが頭に張りついて離れなかったのだ。
そのメロディーが流れた時につい鼻歌にして歌ってしまった私。
「この曲が好きなんだ?」
「いや…、まあ…。」
「甘えん坊、ねえ。陽菜ももっと俺に甘えてきてよ。」
「だ、ダメ…っ!」
私がバッと顔を運転席に座る先輩に向けた時、丁度車は大学の駐車場へと到着していた。