それぞれの一週間【完】
時刻は7時過ぎ。そろそろ先輩から連絡がくるだろうか。そう考えていたら、私のジーパンのポケットで携帯がシンプルな着信音を奏でて震えた。
二つ折りのそれを開きディスプレイを確認。電話の相手は予想通り
{翔太先輩}だった。
緩んでしまう頬を一度掌で叩き引き締めると、通話ボタンを押す。
「…もしもし。」
“今、アパートの前にいるの。”
「…鍵開けときますね。」
私は携帯をまだ耳に着けたまま、玄関まで小走りで向かう。
カチャリとこちら側から鍵を開けて十秒ほど。ドアノブがゆっくり回り、愛しい我が彼氏様の姿。
「今、あなたの目の前にいるの。」
「……、メリーさんごっこか何かで?」