それぞれの一週間【完】
「なんか新婚さん、みたいだ。」
「っ、」
私の頭の中をよまれたのかと一瞬焦った。
おかげで私の顔は茹で蛸のように真っ赤になっているに違いない。恥ずかしすぎる。
馬鹿なこと言わないでください、と。俯き気味に言い小皿を差し出すがそれが受け取られることはない。
「…あの…先輩?」
「…なあ陽菜。」
「はい…?」
「俺、冗談じゃないよ。」
………、え。
思考はストップ。ただひたすら先輩の言葉が頭の中でリピートしている。
「や、え。え…?」
「だからさ、俺にだけ。甘えてよ。」
「ちょ、まっ…はあ?」
「一緒に暮らそう?」
――なんてイキナリ。そして強引なんだろうか。