それぞれの一週間【完】
元々可愛いかったけど、甘えてくれるようになってその可愛いさが倍増した。しかま危ない可愛さなんだよなあ…。
俺は陽菜の髪を指で梳きながら、ゆっくりその作業を繰り返す。
「翔太先輩?」
少し高めの甘い声が俺の名を刻む。いつもば先輩゙だけなのに、こういう時に限っで翔太先輩゙だ。
頭の中を見抜かれてはならないと、にこり笑みを顔に貼り付け「ん?」と少し首を傾げた。
と。
この甘え方はやはり天然。ギュッと遠慮気味にだが俺の腰に必死に腕を回す陽菜。
平静を保とうと「どうした?」なんて囁くが、内心ひやひやだ。なんたって相手は陽菜。
我慢仕切れなくなって、手を出して、嫌われるのは絶対に御免だ。