それぞれの一週間【完】
そのせいで離された手首の温もりと視界を覆っていた暗闇。
おかげで見えた吾妻くんは悲しそうに笑っていた。
あ。言われちゃう…。
「萌、別れよっか。」
この人。私の何聞いてたのよ。何で私に自分の気持ちは教えてくれないのよ。
バカだよ吾妻くん。
私はね、吾妻くん。
吾妻くんより何倍も何十倍も何百倍も。吾妻くんを好きっていう自信あるよ。
私はもう、吾妻くん意外どうでもいいんだから。
吾妻くんが責任とってくれなくちゃ困るんだよ。
ねえ、吾妻くん…。
「ほんとーに、いいの?」
「え?」
悪戯にそう言えば、少し怪訝な顔を私に向けてくる。
手を後ろで組んで、けんけんぱっのリズムで彼へと近づいて、上目遣いになりながら見上げた。
「私と別れちゃって、ほんとーにいいの?」
「……。」
「私と他の男が腕組んだり、キスしたりしても。吾妻くんはいーんだ?」
゙別れよっがなんて、許さない。吾妻くんは私だけの吾妻くん。