それぞれの一週間【完】
「先輩…、」
呟いた陽菜は、それからゆっくり上目遣いで俺を見上げる。
おい。おいおいおい…。それは反則だろ。男にはやっちゃいけないだろ。上目遣いなんてヤバすぎでまともに見れたもんじゃない。
「…何?」
「…最近…、冷たい。」
「え…、何で?」
「前みたいに…、」
そこまで言って、陽菜は俯き口を閉じる。ちょっと待て。
゙前みたい゙とは…?つまり、いいんですかねこれは。
「…前みたいに、て。」
「だから…!」
陽菜はガバッと顔を上げると、頬を赤らめながら俺の目を見つめて囁く。
「キス、とか…。」
「…。」
「っ…、やっぱりいい!忘れて下さい!」