それぞれの一週間【完】
陽菜の顔も真っ赤だけど、俺の顔だっておそらく耳まで真っ赤だろう。
陽菜は俺の胸の中に隠れるように顔を埋め、今にも爆発しそうだ。いやまあ、しないけど。
「陽菜、大胆。」
「っ…、知らない!」
――俺は陽菜の肩を少し押して体を離す。顔が見えた陽菜は困惑の中に悲しみのようなものを込めている。また勘違いしているらしい我が彼女。
「離れなきゃ、キスできないでしょ。」
「…、」
陽菜は目を見開いて、次の瞬間にはまた一瞬で頬を赤く染めた。
ちょっと腰を屈めて陽菜の顔に自分の顔を近付ける。はっ、と。目の前の彼女が緊張したように息を口から逃がすのが分かった。