それぞれの一週間【完】
「っ、」
本気で涙腺が緩む私。馬鹿か。ツーンと、鼻の先に痺れが走って目頭も熱くなる。
頬をつたったアツイ雫。ダサすぎる。自分の被害妄想で本当に泣くなんて…。
「(でも、もし被害妄想じゃなかったら…?)」
本当に、直哉がそう思ってたら…?
そう考えただけで、また私の目頭に熱すぎるものがこみ上げてきた。
自嘲的な微笑も口元に浮かぶ。泣きながら笑っている姿なんて、自分で言うけど気持ち悪い。
取りあえず、顔を洗った方がいいよね。
直哉に見られでもすれば、後々面倒になるのは目に見えてる。
私は、床についている手と足に力を入れ腰を浮かす。ゆっくり立ち上がると部屋のドアに向かって歩き出した。