それぞれの一週間【完】
直哉はまだ夢の中。
私のベッドいっぱいに自分の体を投げ、有効活用していますと言わんばかりに静かに寝息をたてている。
そんな直哉を後目に、私は部屋を後にした。
――親は朝から仕事に出ていていない。今この家には、私と直哉2人きりだったりする。
2階にある自分の部屋から洗面所に行くため、出来るだけ音をたてずに階段を降りる。
顔を洗い、鏡にうつった自分の顔に溜め息。
すっぴんは仕方ないとして、ちょっとしか泣いてないのに、私の目元は真っ赤だった。
「あーあ…。」
ぼそり、と。独り言を吐き出して濡れた顔をタオルで拭く。そのタオルを洗濯機に放り込むと、そのままキッチンへ向かう。