それぞれの一週間【完】
お皿を差し出すと、直哉はそれを受け取る。
「サンキュ…、あ?」
「え、わっ…!」
お皿を受け取ったと思った瞬間、直哉は眉を寄せ怪訝な声を発するともう片方の空いている手で私の前髪をかき上げる。
ジッと私の顔面を穴があくほど見つめ、次の瞬間には顔と顔との距離を一気に詰めてきた。
ドキドキと暴れ始める私の心臓とは裏腹に、直哉は今だ険しい顔つきを変えずに、低い声を出す。
「髪、濡れてる。」
「あ…顔、洗ったから。」
「目。腫れてんのは。」
「……腫れて、ない。」
ウソツキ、と綺麗に口元に弧を描き微笑を浮かべ囁いた直哉。
そっと私の顔を誘導するように指を顎に添えると、さらに顔と顔との距離を接近させてきた。