それぞれの一週間【完】
「じゃあ、別れ「やっぱりダメ。」
ギュッと私を引き寄せて包み込む心地よい温かさ。
ふわり、鼻腔をくすぐる彼らしい控えめだが甘い香水の香り。
「俺以外の男なんて…、ダメ。」
「吾妻くん、矛盾してるよ。」
「うん。ごめん。」
さらにきつく私を抱きしめる吾妻くんの背中に、自分も腕を回す。
少し重なる位の手に吾妻くんは男なんだって改めて認識させられる。
(勿論、男だってちゃんと思ってたよ。)
大きな胸板へと頭をくっつけると、胸を打つ鼓動が速い。
「吾妻くんの気持ち、私知らない。」
「……告ったよ。」
「゙付き合っでしか言われてないよ。一度も聞いたことないもん。」
「あ゙ー…」って苦笑い混じりな声が聞こえて来て、胸板から顔を上げると。
やはり苦笑いを浮かべる姿が目に入る。
「俺、こういうのキャラじゃない。」
恥ずかしそうに片眉を上げて、困ったなって歯を見せて笑う吾妻くん。