それぞれの一週間【完】
「なんで、目、腫れてんの。」
「…腫れてな、」
「言え。」
「…。」
誤魔化そうとはしてみるが、当たり前にそれは失敗に終わる。
どうしようか…。
チラリと視線を合わせた直哉の顔はとんでもなく怖いし。あ、また涙出てきた。
我慢…なんてものが出来るわけもなく、私の目からはボロボロと大粒のそれが溢れ出る。
視界がどんどん歪んで、直哉の顔がぼやけてよく見えない。
涙を手でごしごしと拭っても、目の周りにぴりっとした痛みが走るだけで。アツイ雫が止まることはない。
「泣き虫。」
「…っ、」
「なんで、泣いたの?」
――どうして、こんな時に、そんな優しい声出すかなあ。