それぞれの一週間【完】
「な、おやの、バカ…っ!」
頭にのせられた大きくて温かい、優しい手はゆっくり私の頭を撫でてくれる。それにまた涙を誘われてしまう私。しつこいぞ涙!
直哉のくすりと、妖艶さを含む笑い声が耳に届いた瞬間…。ふわりと鼻を掠める直哉の香り。
直哉がベッドから床に座る私を引き上げるから、私も立ち上がりベッドにゆっくりと片膝をついた。
瞬間には、腰と肩甲骨の辺りに腕が回り。キツくキツく、私を抱き寄せた。
「…今日、来てから、すぐに直哉寝るし…。私の家来るのも、ただ寝るだけなのかなって思って…、」
「うん。」
「そんなん、私の被害妄想だって思ったら、今度は、妄想じゃなかったらどうしようって…。」
「うん。」
「…疑った。」