それぞれの一週間【完】
「え…、何。」
「何って、寝ようよ。」
俺は、ベッドに横向きで転ぶと舞花側の掛け布団を片手で持ち上げた。
変な意味とかじゃなく。純粋に眠たいのだ。
舞花は、怪訝な瞳で俺を見ながらもゆっくりとベッドに近付いてくる。片足をシーツに沈ませれば、ギシッという軋む音。
細っこい体が、遠慮気味に開けていた掛け布団の中に入ってくる。緊張してんのか、不自然に開いた俺と舞花の体の距離は俺が腰を引き寄せたことで無くなる。
距離とか、いらない。あるだけ無駄だ。
更に抱き寄せれば「私は抱き枕か」と不満の声。それにはさすがに、ふはっと声を出して笑ってしまった。
悔しいと言わんばかりに、俺に詰め寄ってきた舞花。それ、可愛いだけだから意味ないよ。