それぞれの一週間【完】
side:遠藤
「遠藤ー。」
放課後の教室。今年、大学受験を控えている私は一人教室に残り勉強をしていた。
始めて数十分後。
教室に響いたのは、聞き慣れた男の声。
「…何してんの倉橋。」
「おっ前、また居残って勉強かよ。どんだけ好きなの。」
「(…無視かおい。)」
倉橋、とは。一言で言ってしまえば女タラシの変態野郎だ。それなのに男女問わず人気があるから、鼻につく奴である。
「なあ、遠藤ー…。」
「…何よ。」
「お前彼氏とかいんの?」
「…いるように見える?」
「見えねえ。」
「じゃあ、言うな。」
何なんだ、この男は。からかいに来たのか!?だとしたら一発ぶん殴ってやる。
はあ、と溜め息を吐くと。ドアの所にいた倉橋はゆっくり窓際の私の席へと近付いてきた。
なんだと問題集から顔を上げ、視界に倉橋の姿を映す。