それぞれの一週間【完】
「なあ、」
「っ、」
「俺と付き合うよな?」
「付き、合うわよ…!」
最低だ。こうまでして私と付き合いたいのか。そんな素振りなんて一度も見せたことないくせに。
私の答えを聞くと、倉橋は満足げに私を見据えて瞳を細めた。私がこう言うって、確信していた顔だ。
「あんたなんか、好きじゃない…、」
「それでいいよ。どうせ、遠藤はすぐに俺のこと好きになる。」
綺麗に笑った男の自信過剰っぷりには呆れる。溜め息を吐いた私に降ってきたのは、頬に触れた低体温とは違い、熱く柔らかい感触。
それは額に触れると、すぐに離れた。
………え、
「……。」
「あ、顔真っ赤ー。」
けらけらと笑う目の前の男を瞳だけは強く睨みつけているが、頭の中は大パニックのお祭り騒ぎである。
何だか私、こいつのペースに狂わされてばっかりじゃない。腹立たしい、ムカつく…、
「ほんと、苛つく…!」
「お褒めのお言葉ありがとー。」