それぞれの一週間【完】



倉橋…こいつのことは嫌いではない。鼻にさわる野郎だと思うくらい…のはず。

倉橋はふうっと息を吐き出すと、言の葉を紡ぐ。



「俺、気付いてたんだ。」

「……。」

「遠藤とよく目が合うの。俺が遠藤見てたのもあるけど、遠藤だって俺のこと見てたでしょ?」

「…もうそろそろ勉強したいんだけど。」



……こいつの、こういう勘が鋭いところも嫌いだうざいうざいうざい。





「遠藤って、本当は俺のことすきなんじゃないの?」

「…五月蠅い。」

「照れてるー。」

「……倉橋の阿呆。」



《しっかり者は自分には    鈍感。》



『じゃ、恋人ねー。』

『はあ…疲れるわ。』

『特権で学年首位が勉強教えてアゲル。』

『……フンッ!』


素直じゃないよね、

       遠藤は。



   -END-

< 97 / 151 >

この作品をシェア

pagetop