それぞれの一週間【完】
倉橋…こいつのことは嫌いではない。鼻にさわる野郎だと思うくらい…のはず。
倉橋はふうっと息を吐き出すと、言の葉を紡ぐ。
「俺、気付いてたんだ。」
「……。」
「遠藤とよく目が合うの。俺が遠藤見てたのもあるけど、遠藤だって俺のこと見てたでしょ?」
「…もうそろそろ勉強したいんだけど。」
……こいつの、こういう勘が鋭いところも嫌いだうざいうざいうざい。
「遠藤って、本当は俺のことすきなんじゃないの?」
「…五月蠅い。」
「照れてるー。」
「……倉橋の阿呆。」
《しっかり者は自分には 鈍感。》
『じゃ、恋人ねー。』
『はあ…疲れるわ。』
『特権で学年首位が勉強教えてアゲル。』
『……フンッ!』
素直じゃないよね、
遠藤は。
-END-