boyshな女の子
優しそうな目に鼻筋がスッと通った、整っている綺麗な顔。
柔らかそうな茶髪がワックスで遊ばせたようにセットされている。
芸能人とかに疎い俺でも知ってるモデルだから、当然他の人達が知らないわけない。
あっという間に教室内は騒がしくなった。
「静かに! 水城さん自己紹介してください」
先生が一喝し、静かになった隙に自己紹介を促す。
そのまま壇上に上がった男子生徒は黒板に『水城愁』と名前を書いた。
するとまたざわめきが広がっていく。
確か、…モデルの名前は『龍』だったような………。
「最初に言っておきますが、俺はモデルの『龍』ではありません。 他人の空似というやつです。 それだけは少なくとも覚えておいてください」
(なるほど…。だから名前が違ったのか……)
周りも納得したような顔で水城のことを見ていた。