boyshな女の子
「振りほどけないだろ?」
確信を持っているかのように言われたことに苛立ちが増す。
「どうゆう意味だよ?」
その問いに答えようとしているのか、水城は俺の腕を掴んだまま俺の眼前に手を持って行く。
「いくらお前でも、男の腕力には勝てないってことだよ」
それは本当のことで………同時に改めて言われたことに深い憤りを覚えた。
だから、何なんだよ。
それが一体何になるっていうんだよ。
沢山の言葉が浮かんだが、全部言うことが出来なかった。
言えるわけが無い。
さっき自分でも言ったが、水城が怪我したのは俺を庇ったからだ。
水城に指摘されたことが直接的な原因になったわけでは無いが、俺のせいだということだけは火を見るより明らかだった。